《MUMEI》

「お気遣いありがとう」聞こえる訳ないが、一応言っておく。
登りから下りに変わる2、3コーナー抜けるとギャラリーコーナーらしき所がある。左コーナーアウト側には三日月型の元、花壇があり、今は草が高く伸びている。

そこに二台のバイクが潜んでいた。

俺達は気付く事無くコーナーを攻め続ける。

潜んでい2人は互いに頷き、勢い良く飛び出して来る。

100m程のストレートで俺のミラーがキラリと光った。

ミラーを見るが、コーナーが迫っていて、車種までは確認出来ない。
まだ、距離もある。
S字を抜けると、また、ストレートだ。
再度ミラーを覗く。距離が少し縮まっている。赤の光が見えた。

「???…ヤバい!!!」
『ピピピッ』
俺は減速し、クラクションを鳴らした。
彼のテールランプが光り、ゆっくりと下って行く。
ふもと付近で後ろの二台が前に出て、公園の駐車場へと誘導された。

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