《MUMEI》
電話
「もしもし?お母さん??キキね、大人になれたんだよ〜!!」


 相手が電話に出たようでキキは喋り始めた。


「違うよ!なのに大人になれたの〜!!だってよしち元気だよ。ねっ?」


 相手の声が聞こえないので全く会話の内容が掴めない俺にキキは同意を求める。

 しかし俺の返答を確認する前にまたキキは話し始めた。


「うん。分かった。じゃあね」


 やっと話が終わったようで、キキは受話器を置いた。俺はやっと質問できると思い話しかけようとした瞬間―――。


「今からお母さん来るって!!」


 …………!?イキナリの展開に頭がついていかず


「……はっ?今から??もう夜中の2時だぜ?」


っと驚きを隠せない。


 そんな俺にお構いなしにキキはコクンと頷く。


「……はぁ。ここに来るまでどの位かかるんだよ?」


 取り敢えず落ち着こうと思い現状を確認するためキキに質問する。


「すぐ来ると思うよ」


 キキはニコリと微笑み答えた。


 バッサバッサ―――。


 大きな鳥が空を飛ぶような音が聞こえるとキキが


「あっ!お母さん来たよ!!」

っとはしゃいで玄関に向かう。

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