《MUMEI》

その後…


自分が点を取るプレーではなく、味方に点を取ってもらうプレーを武器とし、試合を重ねた。


相変わらず僕の得点は少なかった。


しかし、記録には残っていないが、赤高の得点のうち三分の一が僕のアシストによるものとなっていた。


そしてまた春が来た。


「何だこの人数?」


「多すぎだろ…」


去年のベスト4となっていた赤高には、20人近くの入部希望者が集まっていた。


「例年と違って経験者も多いみたいすよ。」


「翔太の後輩とかもいんの?」


「あぁ、1人いますね。」


「どれ?」


「あ〜、あいつです。」


「名前は?」


「ユキヒロ。美山幸弘です。」


「上手いの?」


「中の中?すかね。」


「微妙じゃん。」


「まぁウチの学校の出身者なんてそんなもんすよ。」


こうして…
僕たちの最後の年が始まった。


練習試合を重ね。
最後の大会が迫った。

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