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《MUMEI》 ◇◆◇ 「ああ、そういや思い出したけど──」 「？」 「前に‥大内裏を見に行った事があっただろ？」 うん、と咲弥が頷く。 「また行ってみるか？」 すると咲弥は目を輝かせた。 大内裏を訪れるのは久し振りだ。 何より外へ出掛けられるという事が、この姫には嬉しかったのである。 暖かな陽気に包まれた庭では、舞い戻って来た鶯が朗らかに梢で歌い始めた。 ◇◆◇ 前へ |次へ |
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