《MUMEI》

安心した所で俺はタバコに火を付ける。
彼は、「ちょっと待っといて。」そう言って、小走りで駐車場から出て行った。
1分程で戻ってきた彼の手には、2本の缶コーヒーが握られていた。
両方差し出し「好きな方取って」
「ありがとう。」
そう言ってブラックを手に取る。
俺の荷物とナンバーに目をやり、
「ツーリング中?」

「まあ、そんな感じかな?(笑)」

「どこに行くん」

「それが、全然決めて無いんよね(笑)」

「でも、これってツーリングには不向きなバイクよねぇ」

「うん、峠とかに良く行くから」

「じゃあ、明日も来たら?土曜日やから結構集まるよ」

「じゃあ、土日はここで走らせて貰おうかな?」

暫く話し、彼のあだ名はヨッチャン。
俺より2つ下、奥さんに頼み込んでバイクを買って貰った事、仕事が交代制で3勤3休な事を話してくれた。

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