《MUMEI》 海南のディフェンスに隙が見えない。 (パスが出しづらいな…) ポストをがっちり固められてる。 阿久津は僕からのパスを取るため、僕側の方にいる。 しかし出せない。 仕方なく、ヤマへ。 攻め手がない。 翔太がロングシュートを打つが止められる。 「へいへいへい!!!」 海南の左サイドが走っていた。 速攻だ。 誰もが1点覚悟したが… 相手サイドを追いかける男が1人いた。 僕だ。 試合中ずっと走っていた僕は、敵味方合わせ、一番の運動量だっただろう。 1点を阻止するため、走る。 足がつりそうだ。 しかし、ダッシュで勢いをつけたまま、飛ぶ。 僕の右手にボールが吸い込まれた。 「カットした!?」 海南の右サイドとポストも追いかけてきていた。 赤高は僕以外戻って来ていない。 が 逆に好都合。 (落ち着いて、周りを見ろ) カットしてから、パスを出すまでの一瞬の間に、コート全体を見渡していた。 1人。 ディフェンスが離れている、絶好の位置にいるのが見えた。 「ヤマ!!!」 パスを出す。 ディフェンスは取れない。 「でかしたクロ!!!」 (この1本は…外せない!!) ゴール右下の隅へ… ヤマのシュートが決まった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |