《MUMEI》

「行けるぞ!!」


赤高に流れが来ていた。


さらに追加点を取る赤高。


「恭介。」


「なんだ?」


「諦めてんじゃね〜よ。」


「!!」


仲間の一言で…


「…悪い。」


恭介は落ち着きを取り戻した。


「ヤマトさん!!」


突破からのシュート。


「バシッ!!!」


ヤマトのシュートを恭介が止めた。


「速攻!!」


叫ぶ恭介。


クロがコートにいない以上。
機動力では海南が上回っていた。


決める海南。


海南は勢いを取り戻していた。


ディフェンスも隙がなく、キーパーの恭介の調子も上がっていた。


ヤマトは、オフィシャル席を見ていた。


残り時間2分。


17対18。


追い付けない点差ではない。


しかし、攻め手がない。


誰も口にはしなかったが、コートに立っていた者は皆、状況を理解していた。


『クロのパスが必要である』


と。


そしてその状況を理解していたのは、コートに立つものだけでなく、クロ自身も理解していた。


「先生、もう大丈夫す。行かせてください。」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫