《MUMEI》
上原の訪問
さっきの緊張でどっと疲れてしまい、何もする気になれなかった。


そして手元にあるリモコンでテレビをつける。



なんかお笑いの番組でもやってないかしら?



適当にチャンネルを変えるが、特に目ぼしい番組がなかった。



あ、太一にメールを送らないと!
すっかり忘れてた。


太一に部屋に戻った旨を伝えるメールを送る。


バスタブにお湯でも溜めようかしら・・・


と、立ち上がるとチャイムが鳴った。



こんな時間に・・・誰?


恐る恐るインターフォンの受話器を手にした。


「・・・・・・はい」


「あ、佐藤さん?上原ですけど・・・」


管理部の上原だった。


「上原さん!?どうしたんですか??」


「佐藤さんの忘れ物を見つけてね、それで届けに来たんだ!」


忘れ物?


「なんだろ?忘れ物って」



「見たら分かるよ。だからロックを解除してよ」


見たら分かるって・・・


少し不安になり、


「じゃぁ、私が下まで降ります」


と、言ったが、


「寒いしいいよ。すぐだし入れて」


と、断られた。


部署は違うとはいえ先輩なので、仕方なく言うことを聞いた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫