《MUMEI》

◇◆◇

 朱雀門の前まで近付くと、三人は足を止めた。

「今日は賑やかだなぁ。何かやってるのか?」

「夜に宴があるのだろう」

「へぇ、そうなのか」

 黒蝶は行き交う人々をしげしげと見つめていた。

 皆それぞれ色とりどりの衣に身を包み、華やかに着飾っている。

 奥にある内裏の方からは、琴の調べが響いてきた。

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