《MUMEI》

◇◆◇

 そこでもやはり、祭りのような賑わいがひしめいていた。

 その一方では、忙しなく動き回る人々も少なからずいるようだ。

(凄い‥‥)

 咲弥は普段目にする事のない情景に、ただただ圧倒されるばかりである。

 ふと見上げた空を、鶯が二羽、連れそうように飛んで行く。

「───────」

 聞こえてくるその囀りは、澄んだ心地良い調べを奏でていた。

◇◆◇

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