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《MUMEI》 春…出会いの季節2008年4月……… 私、早川 礼(ハヤカワレイ)は大学生として新たなスタートを切った。 入学式を終えて、早々と電車に乗り込む。 母は用事があったのか、先に帰ってしまった。 新品のスーツの独特の臭いが車両内に立ち込める中、ふと思った。 (何かやらなくちゃ!) 身長が158センチとお世辞にも高いとは言えない私は、満員の車内がガタンゴトンと揺れ、押し潰されそうになる度にそう思った。 このまま人の波にのまれた生き方はしたくない。 第一、この赤山学院大学に入ったのだって、自分の意思に反してる。今までの自分は全て親の敷いたレールを走ったまでだ。 大学生になったからには新たなことに挑戦しなくっちゃ……。 こうして、私は自分が通っていた個人塾で、塾講師として働くことを決めた。 この選択が、後に自分の人生の羅針盤を狂わせることになるなんて、誰にも想像がつかなかっただろう。 前へ |次へ |
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