《MUMEI》 10月5日。段ボールの中には高級ブランド品がたくさん入っていた…。 送り主は…… 書いてない。 ただ明らかにオカシイ。 配達日をわざわざ今日に指定している。 誰かが仕組んでいるのか? 誰かって誰だ。 これはオカシイ…。 通帳の一億円… 事務員の女… 作業リーダーの家… ハワイからの贈り物… どうしてなんだ…。 一杯飲んで考えよう…。 あれ?通帳がないぞ…。 あっ。…あった。 こんなところに置いてたっけな…? 通帳は玄関脇に置いてあった…。 中を開いて驚いた…。 残金が9700万円になっていたんだ…。 約320万円… ATMから引き出されていた…。 俺は引き出していない。 一体誰が…。 考えても分かるはずがなかった…。 とりあえず、明日の“日記”を思い出してなんとか実行を阻止したいと思った。 たしか…明日は… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 【2008年10月5日】今日は昔からの仲間たちと夜通し飲んだくれた。 やっぱり仲間は、いいもんだ。昔話に花を咲かせ、記憶がなくなるまで飲んだ。1人で飲むより仲間で飲む酒は本当に美味い。 居酒屋を何件もハシゴして、人生初のカラオケに行ったりもした。最後はラーメンでシメた。 みんなが当たり前にしていることが、僕は初めてで楽しくて仕方がなかった…。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ふっ…… 僕は、本当に寂しい奴だな…。 何を書いてもいい空想の日記に書くようなことか…? だけど安心した…。 また、ほのぼの系の内容で良かった。 もう誰かを傷つけたくはないからな…。 明日は、あえて飲み屋街をうろついてみるか…。 僕は安心して【10月5日】を迎えた…。 朝早くに家の呼び鈴がなった。 『…はい。どなたですか?』 玄関前にはスーツの男が2人立っていた…。 『警察です。おたくに、お聞きしたいことがありまして…。一緒に署まで来ていただけますか?』 “マジかよ…” 前へ |次へ |
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