《MUMEI》 ――――――――――――― 到着したのは、こじんまりとした家の前だった。 ティアナが運転する車を降りて、ジェイクはその家をまじまじと眺めた。 リゾートチックな雰囲気。…二人で住むには丁度良い大きさの、バンガロー風の一軒家である。 「どう?素敵でしょ」 ガレージに車を停めてきたティアナが、いくつか荷物のうちの比較的小さなバッグを受け取り、彼を家の中へと促した。ジェイクもそのまま玄関をくぐる。リビングと、奥にチラリと見えるキッチン。シンプルさが学生の住まいらしさを感じさせるインテリアだ。 「いい部屋だね、ティアナ」 リュックサックとボストンバックを玄関脇に下ろしながら素直な感想を口にした。 「まだまだよ、見せたいものがあるの。こっち来て」 ティアナはジェイクの手をとって部屋を横切ると、奥にある戸を開けた。ここから家の裏手に出られるらしい。そこには物置と思われる離れがあった。 ジェイクを離れの戸口へと導いて、彼女は楽しげに囁いた。 「開けてみて?」 ジェイクは離れの戸を開けた。 前へ |次へ |
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