《MUMEI》

◇◆◇

 朱雀門前。

 ここがやはり咲弥の気に入りらしい。

 目を輝かせ、始終楽しげにしている。

 花びらがひとひら、彼女の側を舞った。

 黒蝶はそれを素早く捕らえ、咲弥に見せてやる。

 彼女が咲弥の小さな手のひらに移してやると、その姫は嬉しそうに微笑んだ。

 その手に包み込んだ花びらの色に、うっすらと頬を染めて。

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