《MUMEI》
リダイヤル
「もしもし。環さん?」

『う……ぐすっ…ひっく、う……』

「ちっ…ちょっと!なんで泣いてるんですか!?」

『なんでって……流理さんが電話切ったからじゃないですか!私……すっごく心配したんですから……』

「す……すみません」

環さんの泣き声はしばらく続きそうだった。

「今…どこにいるんですか?」

オレは環さんの部屋へ駆け付けた。

早く抱きしめてあげたかったし、永井さんとも約束したばかりだったから。

「本当にすみません……。ちょうど大切な話をしていたところだったんで」

「私こそごめんなさい……。そんな大切な話をしている時に電話かけるなんて……」

オレは環さんをぎゅっと抱きしめた。

あまりにも愛しくて仕方がなかった。

この人に出会えたことに感謝している。

「もう……こんなことしません。絶対に」

「……ハイ」

唇をよせてきた環さんをそっと、受け入れた。

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