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《MUMEI》 プロローグ八年前、雨の降る夜のこと 八歳になる男の子は、最愛の両親とたった一人の妹を無くした。 その日の雨はとても冷たく、悲しみで溢れていた。 八年の月日が経ち 西暦2022年、男の子は青年になった。 彼の名前は古坂優夜、今年高校に入学した16歳。 入学して1ヶ月たったが暗い性格のせいか友達は一人もいない。 唯一の肉親であった祖父も去年に亡くなってしまい、優夜は今一人ぼっちである。 朝、起きて、学校に行き、帰るという平凡な毎日を繰り返していた。 しかし、この日は違った。 学校からの帰り道、居残り掃除で遅くなり、暗い夜道を歩いていると、隣の路地で何か蠢いているのに気付く。 優夜「何だ?」 不思議に思ったが、猫か犬だろうとかまわず歩きだそうとする。 黒い影「ーーオオォォ。」 優夜「なっ!!」 影は雄叫びを上げると、いきなり優夜に襲いかかってきた。 優夜「な、何だ?」 とっさに避けたが、頬を裂かれ血が流れた。 襲ってきた影は、黒い体に、黄い眼、黒いハートのようなマークが胸にある奇妙な生物で、爪も鋭利になっていて、人を簡単な殺せそうだった。 優夜「何だこいつ、生き物か?」 優夜は、相手が殺気を放っているのに気付くと、近くにあった棒を掴んで身構えた。 優夜は、幼い頃より古坂家に受け継がれる剣術を身に付けていた。 しばらく様子見した後、同時に動き出した。 優夜「はぁっ」 ガッ ドゴッ ボグッ しばらく攻防を繰り返して、一瞬の隙をついて黒い影に向かって棒を振り下ろした。 しかし、 ブワン! 優夜「何!!」 攻撃しても奇妙な感触で、全くダメージを負っているように見えなかった。 優夜「何故効かないんだ」 と油断している隙に黒い影が襲ってきた。 ザシュ 優夜「ぐあ!」 左腕に鈍い痛みがは走り。壁に激突した。 優夜「ぐっ」 赤い血が腕をつたって流れ落ちる。 優夜「しまった」 苦痛を顔に浮かべ怪我をした腕を反対の腕で庇う。 優夜は、徐々に追い詰められていった。 優夜「くそっ」 影がとどめを刺そうと腕を振り上げる。 優夜「くっ」 優夜は、ぐっと目を固く瞑った。 ヒュッ ガッ 目の前で地面に何かが刺さる音がした。 優夜「な、何だ?」 目を開けると目の前に黒い刀が地面に刺さっていた。 優夜「かた…な」 優夜は、わけが分からなくなり動揺した。 すると、 謎の声「この得物を使いなさい。」 どこからともなく声が聞こえてきて優夜は、辺りを見渡した。 優夜「誰もいない?」 優夜はまた動揺しそうになったが影が再び襲ってきたので、我に返った 間一髪でかわすと、刀を掴んだ。 優夜「有無は云ってられないな。」 優夜は、意を決すると柄を握り、刀身を鞘から、抜いた。 ガッ シャァァァー 優夜「これ…は」 鞘から抜くと黒い刀身が現われ月の光によって黒く輝いていた。 そして、不思議と懐かしさが込み上げてきた。 優夜「これなら!」 チャキ 刀を上段に構えると影と向かい合い、そして次の瞬間 優夜「っはぁぁぁ」 一気に刀を振り下ろした。 ザシュ 影の体はふたつに切られた 黒い影「ーオオォォッ」 影は雄叫びを上げると何かを吐き出し、跡形もなく消えた。 優夜「消えた。」 その場には誰もいなくなり優夜と黒い刀だけがのこされた。 手にはまだ何かを切った感触が残っていた。 優夜はまだ知らなかった、今世界に何が迫っているのかそして自分に隠された力に。 プロローグ終了 前へ |次へ |
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