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《MUMEI》 二次会私は受付の名簿を見ながら太一に言った、 「これで全員じゃない？」 「じゃぁ、そろそろ始めようか･･･」 そう言って太一は二次会の会場の一番目立つ場所に立ち、挨拶を始める。 その姿を眺めていると、 「愛加･･･」 千夏が頃合いを見計らったかの様に後ろから声をかけてきた。 「佐久間さん二次会に来ないみたい･･･」 「そう･･･。別に私には関係ないし･･･」 そして私はまた太一の方へ顔を向けた。 「愛加、聞いて。この間の件だけど佐久間さん･･･」 千夏がしつこく佐久間の話をしてくる。 「佐久間さんの話なんか聞きたくないの！」 そして私はまた千夏に背を向ける。 しかし千夏はくじけずに声をかけてくる。 「じゃぁ…返事をしなくても良いから、これだけ言わせて･･･」 私は黙ってうなずく。 「佐久間さん…年始にはエジプトに行っちゃうんだって。いつ帰国するか分からないって･･･」 エジプト･･･？ 「このまま会えないかもしれないよ…いいの？」 このまま･･･会えない？ 私は少し動揺しながらも、千夏に向きなおった。 「エジプトに行ってくれた方が一生顔を見なくてすむからせいせいするわ！」 「愛加！」 千夏はじれったそうに私の名前を呼ぶ。 「千夏･･･ひどい言い方をしてごめん。でも…私、佐久間さんのことは忘れたいのよ･･･ごめんね」 私は唇を噛んで、また千夏に背を向けた。 前へ |次へ |
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