《MUMEI》

「愛加、三次会行く?」


みんなに声をかけられながら、


「うーん、どうしよう?」


なんて悩みつつ携帯を手に取ると不在着信があった。


「ごめん。電話があったみたい。ちょっと待ってて」


そう言って少し離れた場所で携帯を確認すると母親からだった。





「もしもし、電話した?」


「あぁ・・・愛加?
あんな、お父さんがまた入院することになってん・・・」


「えっ!?」


「病状があんまようないし、年末年始には帰ってきてお父さんに顔を見せたげてや・・・」


「分かった・・・」


そして電話を切って、みんなの輪の中に戻り、


「ごめん、私は帰るね!」


と三次会を断った。
すると太一も・・・


「じゃぁ、俺も」


そんな私たちの姿を見た、新郎の和幸さんと美幸が、


「次は太一と愛加の番だね!」


と茶化して、


「その時は二次会の幹事、よろしくお願いしますよ〜」


なんて太一が冗談ぽく言って、その場を後にした。

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