《MUMEI》 カオリの主人――…中島は同窓会に参加していなかった。 カオリは、行く末の不安を紛らわすため、一人で同窓会に出席していたのだ。 不安定な情緒から醸し出す、どこか影を秘めたカオリの佇まいに、男達は惹き寄せられるように群がった。 「あ・の・女・ァ――…」 花子はドス黒い罵言を呟いた。 ――…確かあの女の旦那……中島くんて財務省のキャリア官僚じゃなかったかしら? …てことは、あの女もセレブリティってことね!? ――…ハンッ(笑)……私の足元にも及ばないけどね…! 花子という女は、どんな惨めさに置かれたとしても、自分を慰める術を心得ていた。 前へ |次へ |
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