《MUMEI》

でかい獣「グォアアアア!!!!」

……速いんですけど!!巨体のくせにメッチャ速いんですけど!!

流石に全力疾走だと疲れやすい……

早く諦めて〜〜………








そこからかなりの距離は逃げただろう…

だが……

その獣はまだ追いかけてきていた。

ヤバい……もう限界……

足が動かなくなってきた……

このままじゃ追いつかれる……

なんとかしないと……

………お?

あの光は……出口?

やった……とりあえずここから出て…………え?

その光が差し込む隙間から出ると…………そこは行き場の無い崖だった…

そして案の定獣さんもそこから出てきた……

はい………絶対絶命ですね。

でもまだ死にたくないって…

…話の通じる相手じゃないし…

ちょっとばっかし抵抗してみよう…

そう考えてるうちにそいつは襲いかかってくる。

シュンカ「おっと…」

よし!かわした!

次はこっちの番だ!

相手が振り向いた時、その月の輪模様目掛けて飛び蹴りをかます。

でかい獣「クゥォォォォン!」

見事にヒットしてその獣は奇妙な叫び声をあげながら怯む。

あれ?こいつもしかして弱かった?

でもあの鋭い爪とか……弱いとか有り得ないって…

とりあえず今のうちに逃げなきゃ…

相手が怯んでいるうちにまた森の中に逃げ込む。

そして、相手がこっちの居場所がわからなくなるまで逃げ続けた。









………結構逃げたな…

あいつは……流石にもう追ってきてないようだ…

ふぅ…

じゃあ一息したら野宿した場所に一旦戻らないと……

………て…ここがそうだったりして…

いつの間にか戻って来てた…

なんか……ちょっと疲れた…

もう一眠りしよう…









『………カ』

………え?

『…ュ…カ』

………よく聞こえない…

『シュンカ』

……?

大声「シュンカ!!!」

シュンカ「!…ふぇ!?」

…寝ぼけ顔で上を見上げる。

そこにはミチカがやや不機嫌な顔で立っていた。

ミチカ「いつまで寝てるの!!もう昼時だよ!」

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