《MUMEI》 「可愛い、足」 俊彦は、足の甲に優しくキスをして… 「食べちゃいたい」 私の足の指を、口に含む。 そして、赤ちゃんが指しゃぶりをするように、私の指を一本ずつ、吸い始める。 「…っ…」 わざとなのかと思うくらい、チュパチュパと、音がする。 「ごめんね?せっかく洗ったのに、汚して」 そう言いながらも、また、しゃぶる。 「〜!」 言葉も出ない位、恥ずかしい言葉を平気で言う俊彦。 うつ向くと、目が合ってしまった。 「今日は、もうちょっと、…進むよ?」 俊彦は、そう言って、足首を握りしめた。 ビクッ! 一瞬、私の体が震える。 「一瞬じゃ、怖いのか、感じてるのかわからないから…」 俊彦が、足首からふくらはぎにかけて、舌を這わせた。 「……!」 私はギュッと目を瞑った。 (まただ) 鳥肌が立ち、全身が硬直するのがわかった。 それを確認した俊彦が、私を優しく抱き締めた。 それは、『今日は終わり』という合図だった。 「…ごめん」 「いいよ。…上なら、平気?」 私は無言で頷いた。 「立った方がいい?」 私は首を横に振った。 前へ |次へ |
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