《MUMEI》

そう言って、俊彦は、私の胸の突起に吸い付いた。


「ちょっ…ヤッ…」


今度は舌で舐め回している。


「本当に嫌だったら、体、固まるよね?」


私の体は反応して動いていたし、青ざめるどころか、熱くなっていた。


「いじ…わるっ…」


「はいはい、今日はここまでね」


俊彦は、最後に優しくもう一度キスをして、私から離れた。


ベッドから降りて、行く先は…


いつも、トイレだった。


(そ、そうだ)


私は慌てて立ち上がり、俊彦を追いかけようとして…

「キャッ!」


つまずいて


「うわっ!」


俊彦に激突して


ドサッ!


「「…」」


気が付いたら、俊彦を押し倒していた。


「…蝶子、どいて」


頭を押さえながら言う俊彦に、私は『嫌』と答えた。

俊彦が目を丸くした。


「…孝太さんと麗子さんが」


私は俊彦の胸元に触れた。

「俊彦が、喜ぶって」


私は、俊彦に触れた手を下に移動させていった。


「ま、ま、待って!
そこは!」


俊彦が、ガバッと起き上がった。


「キャッ」


「あ、ごめん!」


反動で尻餅をついた私に俊彦が歩みよろうとした。

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