《MUMEI》
縮まる距離
孝太が復活して六日目。


火曜日の夜。


私は、俊彦と二人で過ごしていた。


雅彦は、また結子さんの所へ泊まりに行っていた。


夕飯を食べて、二人で片付けを済ませると、俊彦が、『一緒にシャワー浴びよう』と提案してきた。


私は『恥ずかしい』と断ったが…


結局…


「あんまり、見ないでね」

「はいはい」


私は湯船に入っている俊彦の視線を気にしながら、髪を洗った。


「…一回交代する?」


さりげなく胸と下を隠しながら、チラッと俊彦を見た。


「別にいいけど…」


俊彦が湯船から出た。

「じゃあ…」


「はい、そのまま」


立ち上がろうとした私の両肩を、俊彦が後ろから掴んだ。


「な、何?」


「背中、洗ってあげる」


俊彦は、鼻歌まじりに、私の横にあったボディーソープとスポンジを取り上げた。


「い、いいよ!」


「ジッとしてないと…」


「ひゃっ?」


俊彦の手が、私の脇腹を通り、胸の下まで回ってきた。


「…滑っちゃうよ?」


「う…」


『嘘つき』と言いたかったが、言うともっと触られそうなので、私は大人しくしていた。


それから、自分で前と足を洗った

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