《MUMEI》

気を取り直し、洗面所に向かう。
顔を洗い、歯を磨く。
「不味い」
備品だからしょうがない。

身支度をしてフロントにカギを預けて駐輪場へ向かう。
「おっ、格好いいバイクや!…あっ、俺の12Rやん(笑)」
心の中で、ボケ、ツッコミをいれる。

エンジンを掛けてからメットとグローブをはめる。
少しだか暖機できる。バイクに跨り近くのセルフでハイオクを入れる。
ふとメーターを見ると390キロ走っていた。
「もうこんなに走ったんか?」

そういって隅にバイクを停め、濡れタオルで拭いてやる。
見た目は気づかないが結構汚れていた。
全体を拭き上げると
「よし、行くぞ!」
相棒に話しかける。
「ブォーン」
相棒も答える。

俺達は峠を目指した。

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