《MUMEI》

ゆうこちゃんとの一時間は、とてつもなく早く過ぎた。


教科書の古文を現代語訳したり、漢文の句法を復習したり。


自分の先生っぷりは、初めてにしては順調だったと思う。


ただ一点を除いては…。










「ありがとうございましたー!」




ゆうこちゃんが去り、私はいつの間にか自分が塾の中で一人ぼっちだということに気付いた。


杉浦先生とその生徒さんはとっくに帰ってしまっていたようだ。


よくよく考えてみると、杉浦先生の授業は中学生相手で、ひとコマ45分。

最後の15分は私とゆうこちゃんだけが残されるってわけだ。




私は荷物をまとめ、玄関ポストにこっそりと隠してある入口の鍵(隠してあるのは塾生皆承知!なんて無用心な塾なんでしょう)をかけて、家に帰った。

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