《MUMEI》 ダブルデート翌日。 『シューズクラブ』も『クローバー』も定休日だが、私と俊彦は、いつも通り起きる習慣がついていて、普通に起きて、二人で朝食を食べた。 「何か、新婚みたいだよね、俺達」 「…バカ」 私は赤くなりながら、新聞を読む俊彦の隣に食後のコーヒーを置いた。 「待ち合わせ、十時だっけ?」 「うん」 時計を見ると、まだまだ余裕があった。 「しかし、蝶子との初デートがダブルデートで場所がスポーツジムッて…」 「結構面白そうよ」 愚痴を言う俊彦の隣で、私は雅彦が置いて行ったパンフレットを見ていた。 先日、雅彦と結子さんのなれそめを聞きたくて、私は結子さんの携帯に電話した。 そこで、結子さんから、『会って話したいから』と、今日の ダブルデートを提案されたのだった。 話を聞くと、結子さんもまだ雅彦とデートをしていなかったらしい。 提案者が結子さんなので、場所も時間も向こうに任せる事にしたのだった。 「ほら、プールもあるし」 「プール?」 俊彦が、反応した。 (ちょっとは機嫌直ったかな?) 「プールって…蝶子、泳ぐの?」 俊彦の質問に私は頷いた。 前へ |次へ |
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