|
《MUMEI》 終わる者。高校最後のテストが終わると、暇になる。 夏休みよりも、冬休みよりも、それまで訪れたどの連休よりも長い休みが始まる。 2月のテストが終わると、後は卒業式まで学校が休みとなる。 その間、バイトをする者。免許を取る者。だらだらと過ごす者と、様々だ。 卒業式が終わってからは、進学する者。就職する者と、新しい生活が始まるタイミングが各々違うものだ。 (今…何時だ？) 手探りで、携帯を探す男がいた。 (まだ少し寝れるな…) 古田翔太。 彼は上記にあげた者たちとは少し変わった生活をしている。 今はバイト。 進学も就職もする気はない。 現在働くガソリンスタンドでのバイトを卒業後も続ける予定だった。 つまり彼は高校最後のテストが終わった瞬間から、皆より少し早く、その後の生活に入っていた。 卒業式の前も、後も、彼の生活は変わらない。 はずだった。 『明日ヒマだったら海南クラブの練習こ〜い。』 (…ヤマトさん？) (またか…昨日試合やったばっかじゃん。) (…とりあえずシフト見てみるか。) 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |