《MUMEI》

「そういうものですか…」

わかったような、わからないような…


でも、笑った結子さんが幸せそうだから、いいかなと思えた。


「まぁ、蝶子と俊彦みたいに激しくは無いけどね」


「激しくって何ですか?」

私は真っ赤になった。


すると、結子さんは、『お互い大好き!って全面に出すところ』と言って笑った。


(そりゃ、俊彦はそうかもしれないけど…)


私は、更衣室の鏡を見つめた。


(私、…も?)


鏡にうつる自分を見ても、よくわからなかった。


「蝶子、行くわよ」


「あ、はい!」


そして、私達は更衣室を出て、俊彦と雅彦と合流した。


「プールはダメなんだよね」


雅彦が確認してきたので、私は赤くなりながら頷いた。


雅彦は既にここの会員になっていて、施設に詳しい様子だった。


当然のように、彼女である結子さんも、先程会員登録を済ませた。


私と俊彦は、一日体験をするつもりでやってきていた。


雅彦は、慣れた様子で受付を済ませ、結子さんと二人で先に行った。


私と俊彦は、受付の隣のスペースで、簡単に必要事項を渡された紙に記入をしていた。


しばらくすると、担当らしき人物が来た。

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