《MUMEI》 「はい、…あの、自分でやりますから」 私は隣の俊彦を気にして、控え目に申し出た。 「わかりました!じゃあ、終わる頃また来ます!」 (良かった) 伊藤さんがあっさりいなくなったので、私は安心した。 チラッと俊彦を見ると、丁度俊彦と目が合って 俊彦が笑ってくれたから、私もつられて笑った。 数分後。 (あれ?) 俊彦のマシンが先に終わると、伊藤さんではなく、女性のインストラクターが現れ、俊彦を次のマシンに誘導した。 「先行ってるね」 「うん」 私のマシンは残り一分だった。 「終わりましたね!あれ?彼氏は?」 「先行きましたけど」 私が指差すと、俊彦は女性インストラクターに説明を受けながら、別のマシンを使っていた。 「かっこいい彼氏ですよね!うちの職員もメロメロなんですよ」 「そ、そうですか…」 伊藤さんの言葉に、私は少し不安になった。 女性インストラクターはスタイル抜群だったから。 「あの、私も…」 「あれは女性には辛いですよ!」 そう言って、伊藤さんは私を別のマシンに誘導した。 「じゃあ、伸ばしてみて下さい!」 前へ |次へ |
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