《MUMEI》

「誤解…ですか…?」


「佐久間は俺や高橋なんかよりも、ずっと真面目で律儀で義理堅い奴だよ」


越智さんは誇らしげに佐久間を誉める。


「三人は本当に仲が良いんですね…。私はそんな風に思えません…」


今までのことを思うと、また腹立たしさが再燃した。


「どうしてそう思うの?」


また越智さんの質問…


少し鬱陶しく感じる。


「どうしてって……なんで越智さんはそんなに…」


途中まで言って失礼かと思い言い留まったが、


「もしかして鬱陶しい?」


笑顔で聞かれ、私は苦笑いしながら、


「もう終わったことだし…正直、放っておいて欲しいかなって…」


と、答えた。


「そっか…鬱陶しいかぁ」


越智さんは「困ったなぁ」って言い訳する。


「俺はただ佐久間に幸せになってもらいたいから…。だからつい……―――」


そこで少し考えてから…


「男のお節介は最悪だな」


気まずそうに苦笑いした。

その姿を見て私も、


しまった…言い過ぎた。


少し後悔しフォローする。


「そんなことないです…。私こそ……でも佐久間さんは私がいなくても幸せだから……」


「え?どういうこと?」

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