《MUMEI》

?


私と琴子は意味がわからず首を傾げた。


「まぁ、たまにはイベント無い月もないとね。
今月は、ほら、七五三だし」


俊彦の言葉に、一応私と琴子は納得した。


今月は確かに、スタジオもある『ながしまカメラ』の瞳さんは、七五三の写真撮影に追われていたし


薫子さんの『花月堂』は千歳飴を作っていたし


薫子さんの母の蘭子さんと、その生徒さんは、『ながしまカメラ』で着付けを手伝っていた。


麗子さんも忙しい時は、ヘアメイクを手伝っていると言っていたし


お客様の希望で、愛理さんのお店の小物を使う事もあった。


疲れた女性陣は、咲子さんに愚痴を言いに、度々『クローバー』を訪れていたので、私は事情をよく知っていた。


「今年の旅行は三人娘を分けたから、大丈夫かなぁ…」


俊彦が言う三人娘は、愛理さん・結子さん・麗子さんの三人で、愛理さんと結子さんが前半、麗子さんが後半だった。


「結子さん、何か作ってた…」


雅彦の言葉に俊彦が『げっ』と言って頭を抱えた。


「こっちも油断できないよな」


和馬の言葉に孝太が頷いた。


「「何の話?」」


「こっちの話」×4


そし四人は口を閉ざした

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