《MUMEI》 俊彦は和馬に言われて、琴子の足に触れ、黒いリボンがついたニーハイブーツの調整を行う為に、移動した。 琴子の調整はすぐに終わった。 「ありがとな」 「いえいえ」 囁き合う俊彦と和馬を見て、他のお客は嬉しそうに目を細めた。 「さ、蝶子」 「え? 私、ピッタリだよ?」 驚く私に俊彦は『いいから』と小声で囁いた。 「「セクハラ」」 隣にいた和馬と琴子が言うように、それは単なるセクハラだった。 俊彦は、満足するまで触った後、『調整の必要はありませんね』と笑顔で言った。 そして、私と琴子は会計を済ませ、正面から出た後、こっそり裏口からまた『シューズクラブ』に戻った。 『シューズクラブ』の更衣室で 琴子は白い制服に 私はトレーナーに着替えた。 それから、私達は、裏口の前で別れて、それぞれの店に戻って行った。 お互い選ぶのが早かったので、私は『クローバー』のティータイムがピークになる前に、戻ってこれた。 そして、私はさっき自分が食べたのと同じかぼちゃプリンタルトに、生クリームと、洋梨のコンポートを添えて、お客様に出した。 前へ |次へ |
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