《MUMEI》

先程の1+3台は、まだ走っている。
ここで折り返し、4台で出て行く。
たが、戻って来る時は、1+3台だ。

「あのR1の人、速いですね。」

「うん、あの人は別格、ほとんどの人が付いて行けんよ」

『ほとんど』
俺は、それが気になった。

俺は彼…等の走りが見たくなり「ちょっと上で見て来ます」
そう言ってギャラリーコーナーに向かった。
ギャラリーコーナーに入るとバイクが2台いた。

少し離れてバイクを降り、タバコに火を付ける。
走っている4台の音が峠にこだまする。

ここは、『コ』の字になっており2つのコーナーが見れる最高のギャラリーコーナーだ。

音が近付きコーナーに目をやるとR1がフルバンクで立ち上がり目の前でフルバンクさせて行く。
2〜3秒後、後ろの3台もフルバンクで走り去った。

後ろの3台もかなり速い。なのに…

「この短い峠で、しかも、ここまでに2〜3秒… どこか違う?」

この後、俺は衝撃的な走りを目にする。

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