《MUMEI》

再び、4台のサウンドが響き渡る。
俺がストレートの先に目をやると、R1がフルスロットルで立ち上がってくる。

「此処までに3台との差は殆ど無しか…」

R1が左一杯に寄り減速したかと思うと、一瞬でフルバンクに持ってゆき、そのままの態勢で次のコーナーもクリアして行った。
R1は直角2連コーナーを1つのコーナーに変えてしまったのだ。

俺は全身に悪寒が走った。

後ろの3台は、少し車体を起こし、もう一度寝かせ込む。

「これが『格』の違いなのか…」

俺は、暫く身動き取れずにいた。

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