《MUMEI》 「それより蝶子は?」 「そうだよ、結子…さんも」 俊彦と雅彦の言葉に、結子さんは『馬鹿ね』と言って笑った。 結子さんの話によると、夕食を食べる広間には、宴会用の着替えが出来るようなスペースがあるらしい。 つまり… 「私と蝶子も含めた女性陣は、そこで着替えるからいいの」 「「じゃあ、俺達は…」」 「あんた達男性陣は、部屋から広間まで、その格好で行くに決まってるでしょう?」 結子さんの言葉に、俊彦と雅彦は、悲鳴に近い声を上げた。 夕食を食べる広間は 廊下に出て エレベーターに乗って ロビーやフロント・売店等を通り過ぎた場所にあったから。 こうして 俊彦と雅彦と セーラー服を着て、三つ編みのウィッグを付けた祐介さんと チャイナドレスの悟さんと… 何故か、季節を先取り?した ミニスカサンタの勇さんは ハロウィンの仮装よりも、遥かに恥ずかしい思いをしながら 先頭を歩く、パーティー用のとんがり帽子をかぶっただけの、有理さんを恨めしそうに見ながら 一塊になって、寄り添うように広間に到着した。 そして、入った途端にその姿は携帯のカメラで撮影された 前へ |次へ |
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