《MUMEI》 「ひっ…」 「『ひ』?」 「酷く、ない、です」 雅彦は、結子さんの姿を見て、照れながら、言った。 「よしよし」 頭を撫でる結子さんは 胸元が開いた黒いミニワンピースに、黒いとんがり帽子をかぶったセクシーな魔女姿だった。 「うおぉ!怒れない自分が悲しい!」 「俺もだ!」 漫才コンビを見ながらふんぞり返る愛理さんは 動く度に太股がチラチラ見えるほど、裾に切り込みの入った黒いキャミワンピースに、長いマント姿の吸血鬼だった。 「何でお前は衣装があるんだ?」 そう言う有理さんと 無言の悟さんの前で 「だって、悪魔の羽根を付けただけだもん」 そう言って、理美さんは愛理さん並に長い黒髪をツインテールにして、黒い羽根の付いた黒いTシャツと、黒いフリフリのミニスカ姿を見せつけるように、クルッと回ってみせた。 (皆、すごいな…) 私はとても『こんな格好』で、人前に出る気にはなれなかった。 すると、俊彦が、 「俺の黒猫ちゃんはどこ?!」 と叫ぶのが聞こえた。 女性陣が一斉に『そこ』と言うのが聞こえた。 「見〜つけた!!」 「あんまり、見ないで…」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |