《MUMEI》
10月7日。
ヤバイ…。




気が付いたらもう今日って…【10月7日】?




ふざけんなよ…。




あ"っ。




慌てて通帳を見たら、やっぱり残金はゼロになっていた…。




ふっ…。




でも今日は【10月7日】だ…。




この奇妙な出来事も今日で終わる。




今日さえ乗り切れば…。




まだ刑事が監視している。




“今日は出歩かない方が良さそうだなぁ…。”




そう思いながら、カーテンの隙間から刑事を覗いていると目が合った。




僕を軽く睨み付けた刑事は、そのまま僕のアパートに向かって歩きだした。




ピンポーン。




“まさかあの刑事が…。”




『…どうも。』




玄関を開けると不気味に微笑む刑事が立っていた。





『…何の用ですか?』




『…いえ別に用はありませんが近くを通ったんで…何か犯人の心当たりについて思い出したことはありませんか?』





“うそつけ。ずっと僕を監視してただろ…。”




『ありませんってば。』




『…そうですか。ちなみにここ数日お仕事を休まれてるそうですが、体調でもお悪いんですか?』





“ん?それで僕を疑ってたのか…。”




『…えぇ。…まぁ。』




『そうですか。お体、大事にしてくださいね。』




と言って刑事は帰っていった…。




“…なんだ。女の証言で疑われてたんじゃないんだ。”




“余裕だな。”




久しぶりに昼間から酒でも飲むか…。




“…あぁ。この一週間、色んなことがあったな…。
ビビることだらけだったし、金が無くなっちまったのは残念だけど、なんか充実感だ。
今までの人生はただ毎日を生きていた。
なんか初めて生きてるって実感した。
焦って、怒って、笑って、走った…。
今、思えば…いい思い出だな。”




そんな変な達成感を味わいながら僕はグラスの酒を全て飲み干した…。




それから




永遠の眠りにつくことを忘れて……。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【2008年10月7日】この一週間…僕はやりたい事を全てやった。
僕の欲望と野望と希望…全てを。
ヘタレの僕は自分の罪を忘れるようにした。
だから僕は…自分の犯した罪を償わない。
この“日記”さえも燃やしてしまうのだ。
そして…今日。
僕の最後の願いを僕自身で叶える。僕は大好きな酒にクスリを入れた…。
これで眠ったように死ぬんだ…。
さよなら。僕。
この日記と共に僕の人生も終わる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【完】

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