《MUMEI》 夜のプール広間での食事が終わると、ようやく私も含めた女性陣は、ホテルの浴衣に着替えた。 女性には、数種類の浴衣と帯が用意されていて、私はその中で、ピンクの浴衣を選んでいた。 ホテルにしては珍しく、施設内は浴衣で自由に出歩く事ができたため、仮装集団以外は、皆浴衣だった。 ここで、家族連れは、温泉やゲームコーナーに、年配組は民芸品の土産コーナーに、そして いつものメンバーは、二次会の会場であるカラオケスナックに移動する事になっていた。 ホテルには、お洒落なバーもあったが、さすがに仮装集団を連れて行ける雰囲気ではなく、貸し切りにできるカラオケスナックにしたと、いつの間にか主導権を奪った愛理さんが言っていた。 皆がそれぞれ移動する中… 私は、愛理さんに『部屋で休みたいから』と嘘をついて、フロントに向かった。 「あの…今からプールって、大丈夫ですか?」 時計を見ると、プールの使用時間は、あと三十分位だった。 「誰もいないから、先ほど閉めてきてしまったのですが… 大丈夫ですよ。 終わったら、電気を消して、鍵を閉めて持ってきて下さるなら…少しオーバーしても、目を瞑りましょう、特別に」 前へ |次へ |
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