《MUMEI》 「ねえ、明日やっぱスーツかな?」 「別にいつも通りでいんじゃん?」 「そっか、よかった〜。スーツってどうも苦手でさぁ〜。」 …日曜日。 「古田、髪切って来なかったのか。」 「…」 「い〜じゃん先生〜。翔太はその方がい〜よ。」 「そういう問題じゃ…」 教室で待機する俺たち。 「そろそろ行くぞ。」 「は〜い。」 卒業式が始まる。 昨日あんだけ時間をかけて練習する必要はあったんだろうか? 必要最低限のことだけ伝えとけば良かったと思うけど。 長々と話をする。 お祝いの言葉? そんな見たこともないような人にお祝いされてもなんだかな。 俺たちのこと見てきたわけでもないのに、よくそんな長々としゃべれるな。 どうせならこの学校の先生が話した方がまだ実感が沸くだろうに。 俺はどっちでもいいけど。 「卒業証書授与。」 出た。 長いぞこっから… 前へ |次へ |
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