《MUMEI》

「ねえ、明日やっぱスーツかな?」

「別にいつも通りでいんじゃん?」

「そっか、よかった〜。スーツってどうも苦手でさぁ〜。」

…日曜日。

「古田、髪切って来なかったのか。」

「…」

「い〜じゃん先生〜。翔太はその方がい〜よ。」

「そういう問題じゃ…」

教室で待機する俺たち。

「そろそろ行くぞ。」

「は〜い。」

卒業式が始まる。

昨日あんだけ時間をかけて練習する必要はあったんだろうか?

必要最低限のことだけ伝えとけば良かったと思うけど。

長々と話をする。

お祝いの言葉?

そんな見たこともないような人にお祝いされてもなんだかな。

俺たちのこと見てきたわけでもないのに、よくそんな長々としゃべれるな。

どうせならこの学校の先生が話した方がまだ実感が沸くだろうに。

俺はどっちでもいいけど。

「卒業証書授与。」

出た。

長いぞこっから…

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫