《MUMEI》

「中村宏樹。」



長い…

さっき一瞬寝てたわ。

でも、そろそろ自分の番ってなると熟睡もできない。

うつらうつらしながら自分の番を待つ。

「3年D組…」

あ〜、そろそろだ。

目覚まさないとヤバい。

必死で目を開く。

が一瞬でまた眠くなる…

つねるしかない。

自分の番まで、つねってた。

左手に爪痕が。

「長谷川梓。」

やべ!!

そろそろじゃん!!

焦ってる様子は見せず、席を立った。

結構平気だと思ってたけど、やっぱ緊張するな…

「古田翔太。」

「はい。」

昨日無駄に散々練習したけど、普通にもらっても平気だった。

卒業証書。

自分の席に付こうとしたら、保護者席に見えた。

というか目についた。

私服で保護者席にいるんだもん。
そりゃ目につくよ。

クロさんとヤマトさんだ。

何でいんだよ。
何で私服なんだよ。

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