《MUMEI》

校歌を歌って卒業式が終わった。

と、言っても甲子園に出場もしたことがない赤高生はろくすっぽ歌詞なんて覚えてないが。

その後、後輩たちと先生だけで離任式が行われてる。

だいたいの卒業生は帰っているか、先生たちにあいさつをするために残ってる。

俺も残った。

先生たちに会いたかったわけじゃない。
クロさんとヤマトさんに会いたかった。

離任式が終わった後、後片付けが始まった。

後輩が後片付けをしてる。

部活に所属してるやつらは、クラスとは別にそのグループとして後片付けをしてる。

集まってる団体がいる。

ハンド部だ。

先生と部員。
そしてクロさんとヤマトさんがいる。

「離任式で言った通り俺はこの学校辞めるから。明日からは小太郎がお前たちの指導する。」

「は?」

ビックリしてるよあいつら。
そりゃそうか。

「この前練習で会ったよね。黒田小太郎。19。忙しいから来れない時もあるけど、なるべく来るから。春休みの間は毎日来るんでよろしく。」

「…よろしくお願いします。」

イマイチな反応だな。

クロさんの実力疑ってんのか?

「明日は、9時からだったよね。時間厳守で。」

「は〜い。」

「んじゃ僕たち帰るから。」

このために来てたのか。

「お!!翔太!!」

クロさんたちが俺に気付いた。

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