《MUMEI》

「ぎ…逆からかよ、はは……かなた大丈夫か?」
「うん///」

びっくりしたけど、僕は何だかこのドキドキはそれとは違うドキドキのような気がしてる。

触れてくる手の感触にうっとりしながら、俺もはるちゃんの腰の辺りに両腕を回して寄りかかった。

「ねぇはるちゃん…///」
「何だよ…うわっ!」


何か煙が吹き出してきたり突然音がしたりする度にはるちゃんがビビりまくっているけど、それでも俺と繋いだ手を離したりする事は無かった。



「か…かなたι」
「ねぇ、ちょっとキスしちゃおうよ///」

俺は暗がりにはるちゃんを連れ込むとギュッと首の後ろに腕をかけてキスをせがむ。

「んっ…ぅん///」

はるちゃんの唇は恐怖でかじかんでちょっと冷たかったけど、はるちゃんとキスしてるんだ…と思うと俺は胸や頭がポカポカと温かくなってきた。



「楽しかったね♪」
「……休もうぜι」

今日は天気がいいのにはるちゃんは青い顔をしてフラフラしていた。

俺もお腹が空いてきたので、はるちゃんの手を引くとフードコートにスキップして歩いて行った。




「…遊園地だねぇ、はるちゃん」
「…暗に、マズいって言いたいのか?」
「そんな事無いよ〜♪」

ソーセージやフィッシュ&チップスはそれなりだし、こんなモンじゃない?

「ファンタ美味いよ♪」
「そっちのオレンジくれよ」

はるちゃんのグレープと俺のオレンジを交換して「間接キッス〜」とか言って飲んでいたら「間接じゃなくっても…出来るだろ」と言って軽くチュッとキスしてくれた。




「今度ははるちゃんが乗りたいのに行こうよ」
「いいのか?」
「うん///」

そう言えばはるちゃんの好きなものって俺知らないなぁ…。

いつも俺に合わせてくれて、俺の為に何でもしてくれるはるちゃん。

俺、はるちゃんの好きなもの知りたいな…。
  

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