《MUMEI》

「どうしてっ!?」


太一の言葉に私は心臓が止まるかと思った。


「やっぱなぁー。最初からそうだと思ってたんだよ。あーあー」


太一は仰向けに寝転んだ。


「だってさー、愛加、久しぶりに会ったら全然雰囲気違うんだもん。びっくりしたよ・・・」


「そうなの・・・?」


まさか、そんな風に思われてたなんて驚いた。


「やっぱ佐久間さんか・・・・愛加を変えれるのは俺だって思ってたけど・・・ダメだから別れたんだもんな…」


佐久間さんが私を変えた?


「早く行けよ」


「え?」


「早く行けって!佐久間さんに会いに来たんだろ?」


あ・・・ばれてる。


「うん・・・ごめんね」


太一に声をかけるが、太一は顔をそむけている。


「謝らなくていいから、さっさと行けよ!」


太一に怒鳴られ、


「ごめん!」


また謝って、太一へのお土産をテーブルの上に置いて部屋を出た。


ごめんね・・・

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