《MUMEI》 タバコをもみ消すと同時にのり君が「じゃあ、行きますかぁ?」と気合い充分だ。 俺達はダムを目指した。40分程で山に囲まれ、長いストレートを上って行くと、いきなりヘアピンが出迎えてくれる。 連続ヘアピン、連続S字を抜けると、急に道が狭くなる。 500m程で目の前にダムが広がる。 流石は水の町西条だ。ダムに沿ってワインディングが続く。 先頭を走るのり君のリズムが良いのか、気分爽快だ。 途中、バイクとすれ違うとピースサインをだす。向こうも、ピースサインで答える。ピースサインには 『お互いの旅の安全を祈る』 と言う意味が込められており、ピースサインが返って来ると凄く嬉しい反面、無視されると凄くヘコむ。 バイク乗りの願掛けの様なものだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |