《MUMEI》 掌に固くなった乳首が擦れる。 手を下へ滑らせてみる。 夏生は激しく濡れていた。 指先で擦ると、夏生の体が軽く痙攣する。 俺は夏生の足元に入り込み、足を開かせた。 内股に唇を這わせ、上を目指す。 さっき指でやったように舌を使うと、夏生のあえぎは一層激しくなった。 そして、夏生は昇りつめた。 「…おあいこやな。」 「そうやな。」 夏生が落ち着くまで抱きしめ、俺たちはまた笑いあった。 「…今度は、一緒に。」 「…うん。」 俺は夏生の両手を万歳させて、羽交い締めにした。 脇の後ろを舌でくすぐる。そのまま、乳房から乳首に向けて、何度も往復した。 乳房を両側から寄せて、両方の乳首を交互に舐めあげる。 俺と夏生は頭を互い違いにし、互いにむさぼりあった。 夏生の舌が翻る様が時折目に入る。 それが俺を奮い起たせた。 お互い、もう待ちきれない。 今度はコンドームをつけ、再び体をつなぐ。 一緒に、といっても、妻とさえ一緒に果てたことはない。 本当にそんなことができるのか。 夏生が俺の腰に、下から足を絡ませた。 より深くつながる。 俺はそろそろ限界のようだ。 夏生の中も、ざわめいていた。 (…もう……!) 俺たちはしばらく、死んだように動けなかった。 少し、眠ったようだ。 残っていたミネラルウォーターを飲む。 時計に目をやった。 始発までまだ間がある。 俺は夏生を起こした。 眠そうな目が、いつもの夏生とギャップがある。 「おはようさん。」 「…おはよう。」 体を起こしていたが、夏生は俺に寄りかかった。 もう、逢うことはなくなるのか… 「…シャワー、浴びてくるね。」 俺の気持ちを察したのか、夏生は少し明るい声で言った。 ベッドから降り、バスタオルをとって、バスルームへ消えた。 俺は煙草を取り、火をつけた。 起きてはいるが、頭がくらくらする。 夏生の寝ていたところが、少しくぼんでいる。 触ってみた。 ほんの少しだけ、温かい。 前へ |次へ |
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