《MUMEI》

俺達が長話をしている間にのり君はアマゴも食べ終わっていた。

空が暗くなり灰色の雲が覆ってきた。

タケチャンが「ヤバい、一雨来るかも…」
「山の天気は変わりやすいけんねぇ…戻ろう」と言う、ヨッチャンの声で帰路についた。

雨に打たれる事無く、無事に元の峠に戻ると、俺達以外誰も居なくなっていた。

俺達は、走る順番を入れ替えながら暗くなる迄走り続けた。

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