《MUMEI》

◇◆◇

 流石に頭痛がしてきたので、草薙は文机から離れた。

「‥‥‥‥‥‥‥」

 昼は大内裏、夜になれば文机に向かう日々。

 日暮らし、休む暇など滅多にない。

 寝る事すら惜しんで励んだ所で、未だ何も変わってはいない。

 見上げた月は、幻の如く消え失せてしまいそうな程霞んでいた。

「──────‥」

 溜め息をつき、草薙はその月から目を逸す。

◇◆◇

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