《MUMEI》

「貢君、今日うち親居ないんだけど…」




俺にしつこくつきまとう女の一人、加奈がくねくねしながら俺に抱きついていた。



しかもわざとらしく大きな胸をグイグイ押しつけてきて。




まあ、もう3日も打ってないし?まー暇だし処理に使わせて貰うかって思った時だった。





道路を挟んだ目の前のコンビニから同じクラスの奴、佐伯聖が出てきた。




――何やら大きな袋を下げている。
コンビニの袋ではなく、エコバッグみたいなやつ。




女はここでおっぱじめる気かって位の勢いで俺の背中やらをいやらしい手つきで探りだした。




俺は何となくボーっと女の肩を抱きながら佐伯を見ていた。



すると佐伯を待っていたかの様に店の裏側から猫がトトトトトとやって来た。


佐伯も当たり前の様にその猫を拾いあげ愛しそうに抱き抱える。



暫く抱擁を交した後そっと猫を下ろし縁戚に座ると、袋から何かを出した。




「―――――――」

――チクワか何かか?ちょっと離れていて良く見えないが何か食い物を出した様だ。
猫はがむしゃらに食べ始め佐伯はその様子をジッと見ている。



――気がつけば女は俺の股間まで手を伸ばし

「私濡れてきちゃったよぉ〜」


なんて言いだしていた。

そして俺も触られて半勃ち気味…。

何気に女に視線を向けると―――原型をとどめない盛り過ぎアイメイク、
グロスでギットギトの唇で…ニッコリ微笑まれた。



――キモッ!!




―――ふと佐伯に視線を戻すと――――

猫は食べ終わったのかまた佐伯に抱っこされ、あろうことか頬を舐めまわしていた。

佐伯も(多分)擽ったそうに笑っている。



――あの猫…羨ましい




――――…。

羨ましい?


!!!!


「――羨ましい?」

「どうしたの貢?早く行こうよぉ」






その後俺は女の家で
セックスした。

――しかし抱いている間どうしても佐伯のあの姿が抜けなかった。


「―――イッちゃうっ!」

女がそう言うと同時に俺もイきそうになった。

――しかし…


そのイク瞬間、何故だか女のイキ顔が佐伯の顔とだぶって…


「さえきい〜!!」

――と叫びながら精液を吐き出し…



女に力強くぶたれたと同時に俺は…


佐伯に一目惚れしてしまった事に気がついた。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫