《MUMEI》 再現「水着、は…着てないよね?」 俊彦の言葉に私は頷いた。 「似たようなものだし、…下着になってくれる? 俺、まだ手がうまく動かないから、自分のだけで、精一杯なんだよね」 そう言って、俊彦は雪で濡れて重くなったスーツの上着を脱いだ。 私は頷いて、マフラーとコートを脱ぎ… 厚手のトレーナーを脱いだ。 俊彦は、Yシャツのボタンを外していた。 それから、Yシャツと、Tシャツを脱ぎ捨て、ベルトを外した。 私も、ベルトを外し、先にキャミソールを脱ぎ、上半身はピンクのブラだけになった。 俊彦が、ズボンを脱ぐ。 そして… 「俊彦?」 「何?」 俊彦は、何を思ったのか、素肌にYシャツを着て、ベルトを巻いた。 「浴衣無いから、できるだけ近い感じにしてみたんだけど…」 真剣な表情の俊彦に、私は思わず笑ってしまった。 「そこまでしなくても…」 「良かった」 「え?」 笑っている私を見て、俊彦はホッとした顔をした。 「今日は、まだ笑顔見てなかったから」 そう言って、私の頬を撫でた。 そして、私の耳元で『ズボンも脱いで』と囁いた。 「うん…」 前へ |次へ |
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