《MUMEI》

恐る恐る、俊彦の僅かに開いた口の隙間から、舌を入れてみる。


私の舌が俊彦の舌に触れても、俊彦の舌が絡みついてくる様子は無かった。


仕方なく私は、舌を戻し、唇を離した。


「もっとだよ…」


「だっ…」


言い訳しようとした唇を俊彦が塞いだ。


「この位だったよ…」


「…ンッ…」


俊彦が深く唇を重ね、舌を絡めてきた。


私はもうそのキスを何度も知っていた。


だから、俊彦の舌に合わせて、自然と私の舌も動いていた。


俊彦の舌が出る時は、私も舌を思いきり出して追い掛けた。


流れる唾液も既に気にならないほど夢中に。


「つ…ぎはっ…?」


「次はねぇ…」


俊彦は、ゴロンとベットに仰向けになった。


「今から言う所に、…キスマーク付けて」


「付け方…知らない」


私は意識してキスマークを付けた事は無かった。


「簡単だよ。教えるから…やってごらん?」


そして、私は俊彦に言われた通り…


指定された箇所に、俊彦の肌に唇を当て、強く吸ってみた。


「…もう、ちょっと…っ…」


俊彦に言われ、私は一生懸命俊彦の肌を吸った。


やがて、やっとそれらしきものができた

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